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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻5号

1978年05月発行

文献概要

連載 眼科臨床レントゲン診断学・5

各論(2):眼窩腫瘍(その2)

著者: 丸尾敏夫1 桐渕利次1 竹内真1

所属機関: 1帝京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.816 - P.817

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視神経管の異常
 視神経管の拡大enlargement of optic foramenは視神経管撮影によつて観察され,種々の疾患でおこるが,とくに視神経膠腫の特徴あるX線所見として知られている。視神経管のX線写真上における直径は4ないし6mmで,4,5歳でこの大きさに達するとされ,7mm以上の場合には異常であるといわれる。しかし,計測値よりも,左右の視神経管を正しく対称的に撮影した写真上で比較することが必要である。視神経管の直径は正常でも左右差のあるものがあるが,2mm以上の差があれば病的の揚合が多い。図1は36歳,男子の左限視神経膠腫の症例の視神経管撮影で,視神経管の横径は右眼4.5mm,左眼7mmで,左視神経管の均等な拡大がみられる。
 視神経膠腫では,均等なびまん性拡大を示し,管壁の境界は鮮明に保たれ,erosionや萎縮を示さない。これは腫瘍の発育が遅く,徐々に拡大していったためである。視神経膠腫でも,眼窩内あるいは頭蓋内の視神経に腫瘍が存在している場合には見逃すことがあり,このような時には,断層撮影や立体撮影が有利となる。視神経膠腫のX線所見としては,視神経管拡大のほか,眼窩の拡大やJ型トルコ鞍J-shaped sella turnicaがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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