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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻6号

1978年06月発行

総説

黄斑部血管新生について

著者: 吉岡久春1

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.869 - P.884

文献概要

 網膜ことに黄斑部網膜の血管新生には網膜内,網膜前および網膜下血管新生の3種がある2)。しかし一般に黄斑部網膜に血管新生がみられるのは,脈絡膜から網膜色素上皮下あるいは網膜下に向つて新生する血管である。この黄斑部脈絡膜から網膜色素上皮下あるいは網膜下にのびる新生血管はしばしば線維組織を伴うことからchoroidalneovascular membrane26)あるいはchoroidalneovascularization38,39,51,52)と呼ばれ,一連の黄斑部疾患の発生機転の鍵として近年注目をあつめている,ここで述べる黄斑部血管新生とは黄斑部におけるchoroiclal neovascular membrane26)あるいはchoroidal neovascularization38,39,51,52)のことと同じである。
 この脈絡膜血管新生は老人性円盤状黄斑変性では,1937年組織学的に証明され76),近年まで,これは脈絡膜毛細血管に由来する色素上皮下出血の器質化の結果によると考えられて来た。しかし,1967年Gass20)が出血を伴わぬ新生血管による色素上皮剥離の存在を指摘し,氏の著書第2版28)で血管新生先行説に変え,この説が定説となつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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