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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻6号

1978年06月発行

文献概要

臨床報告

高含水率ソフトコンタクトレンズの連続装用の研究

著者: 百瀬隆行1

所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.951 - P.964

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緒 言
 眼科疾患の中で屈折異常,白内障(術後無水晶体眼)患者の占める役割は多い。これらの患者の視力矯正手段としては,眼鏡,コンタクトレンズ(以下C.L.と略す),および人工水晶体が現在使用されている。老視も含めて眼鏡使用者は2,834万人,C.L.装用者は178万人と推定され1),眼鏡が視力矯正の中心となっている。眼鏡も万能ではなく,また白内障手術中に装着される人工水晶体も最近急速に進歩してはいるが,まだ実験段階であり,片眼無水晶体眼,高度近視,乱視,不同視眼等はC.L.に頼らざるをえない。しかしC.L.の適応にもかかわらず,それを十分に利用できない患者を日常の診療で数多くみる。すなわち,神経質な患者,乳幼児,老人を中心とした患者は,C.L.装用時の異物感,およびC.L.操作の困難なために従来のハードコンタクトレンズ(以下H.C.L.と略す)は装用不可能なことが少なくない。一方開発されてから10数年経ち,材質,デザインの改善がなされ普及の著しいソフトコンタクトレンズ(以下S.C.L.)は装用感は良いが,S.C.L.の着脱,消毒等扱いが繁雑である。これらの問題を解決するためには,刺激の少ないS.C.L.を川い,着脱の機会を少なくする(長期連続装用)ことも一方法である。
 H.C.L.または市販のS.C.Lで連続装用2)している患者を時に見ることがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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