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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻6号

1978年06月発行

文献概要

臨床報告

白内障水晶体の徹照像撮影

著者: 河原哲夫1 尾羽沢大1

所属機関: 1東海大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.973 - P.976

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緒 言
 白内障水晶体の混濁状態を混濁形成の追跡および混濁程度の定量的測定の方面から正確に把握することは,白内障の臨床上重要なことである。この目的で細隙灯生体顕微鏡による検査や視力による評価が現在行われている。しかしながら,細隙灯生体顕微鏡による観察所見を的確に表現・記録することは容易ではなく,写真撮影においても局部的な記録のみが可能である。また視力を尺度とする判定法は混濁程度以外の要因によつても変動しうる可能性があり,あくまで自覚的な評価であるため客観性に乏しいと考えられる。
 自内障水晶体の徹照像は,混濁部を網膜からの反帰光線の影として表わし,平面的にではあるが水晶体全面を一度に観察・撮影できる利点を持つている1〜4)。そして林ら2)およびHockwinら3)は,白内障の混濁経過の評価に徹照像が有効に利用できると述べている。しかしながら既存の徹照写真では,光源像などの角膜からの反射光が観察の邪魔となり定量的解析が困難であつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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