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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻6号

1978年06月発行

文献概要

臨床報告

裂孔の発見困難な網膜剥離の手術成績

著者: 近藤武久1 安積慶子1 前島伸二子1 根木昭1 高橋義公1 宮代汎子1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院眼科

ページ範囲:P.983 - P.987

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緒 言
 特発性網膜剥離の症例のうち,いろいろな術前合併症のため裂孔の発見の困難な症例に時々遭遇する。裂孔の発見を困難にする術前合併症としては既に多くの記載があるが1〜3),無水晶体眼による小瞳孔,残留水晶体,瞳孔偏位,硝子体混濁などが主なものである。このような無裂孔剥離は巨大裂孔,高度硝子体退縮(MVR)などとならんで治癒率の悪い網膜剥離の一つに挙げられ3,4),今後更に充分な検討が必要と考えられる。
 裂孔が発見されなくても,種々の検査で続発性網膜剥離が否定されれば手術的療法の対象となるわけであり,このような症例には,Schepens5,9)らの推賞するsilicone bandによる輪状締結法が第一適応と考えられる。しかし個々の症例により,網膜剥離手術前に小瞳孔に対する処置の必要性の有無とか,輪状締結法と色々な手技の組合せとか,two step operationの選択など検討の余地が多く残されているように思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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