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臨床報告
Congenital Hypertrophy of the Retinal Pigment Epitheliumの4例
著者: 白井正一郎1 橋本勝1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1095 - P.1100
文献購入ページに移動日常の診療で眼底の色素性病変をみた場合,悪性黒色腫との鑑別が大切である。鑑別上重要なものの一つに,congenital hypertrophy of the reti-nal pigment epithelium (以下CHRPEと略す)がある。CHRPEは,網膜色素上皮の良性病変で,普通孤立性,円形,扁平,境界鮮明で黒禍色調を帯びている。過去には,悪性黒色腫と誤診され眼球摘出を受けた例で報告1〜4)されてきた。Re-eseとJones1)は,悪性黒色腫の疑いのある151眼の中に,片眼性,孤立性,黒色調,境界鮮明,扁平,円形ないし卵円形の眼底病変を9眼見出した。病変は網膜色素上皮にあり,組織学的に色素上皮が過度の色素を含有していることをつきとめ,benign melanoma of the retinal pigmentepitheliumと命名し,限局した色素上皮の先天性発育過度による病変と考えた。またReese5)は,hyperplasia of the retinal pigment epitheliumと記載したりした。KurzとZimmerman3)は,同様の臨床像を呈し眼球摘出された眼で,組織学的に網膜色素上皮の肥大であることを示し,conge-niしal hypertrophy of the retinal pigment epithe-liumと命名した。
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