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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻8号

1978年08月発行

文献概要

総説

黄斑部血管新生症候群Neovascular maculopathy

著者: 横地圭一1 丸山明信1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1199 - P.1212

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緒 言
 円盤状黄斑変性とは主として検眼鏡による形態学的な面からの名であり,これに対してさまざまな呼称が与えられている2,30,38)。一方,病理学的な面からはneovas-cuiar maculopathy30)とも呼称すべきもので,黄斑部網膜下あるいは網膜内に脈絡膜血管系に起原を有する新生血管網を形成する疾患を意味する総称である。したがつて両者は必ずしも同一の概念ではなく,前者は完成された姿をいい表わしているのに対して,neovascular maculo-pathyは極く初期の病変も含む,より広い意味で用いられる。
 従来よりいわれているごとく円盤状黄斑変性の中には,老人性円盤状黄斑変性(Kuhnt-Junius),中心性滲出性網膜炎(Rieger),近視眼にみられるFuchs'spot,網膜色素線条,ヒストプラスマ症に伴う黄斑部変化などが含まれる。その他にわれわれは,58歳男子の両側の特発性のtriangle syndromeの1眼に発症した1例を経験している。このおのおのはいずれも特徴ある異なつた疾患単位として分類されているものの,黄斑部病変は一つの共通した病態を有しているという別の見地からこれらの疾患を整理することは意義ある事と考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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