文献詳細
文献概要
臨床報告
優性遺伝性若年性視神経萎縮症の新2家系について
著者: 若倉雅登1 福田敏雅1 松本充子1 清水敬一郎1
所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1213 - P.1217
文献購入ページに移動遺伝性視神経萎縮症の分類はKjer1)の総括したものが一般に認められており,このうち幼小児期に徐々に発症し,極端な視力障害は起こさず,乳頭耳側蒼白,周辺視野正常,中心暗点,第三色覚異常等,特徴的所見を呈するとされる優性遺伝性若年性視神経萎縮症(Dominant Inherited Juve-nile Optic Atrophy)は,Kjer自身も19家系(約200例)について報告し,Smith2)はこれまで各国で報告された数百例について,詳細に総説し診断基準を示した。しかし個々の臨床データの検討に関しては,報告内容,数ともに十分なものとはいえず,なお症例集積の段階の様である。
一方,本邦における報告は極めて少なく,山中ら3),Ohbaら4),小口5)がおのおの一家系ずつ報告を行つたにすぎず,黒住ら6)が本症と判定した過去の報告の2家系,系図のみの記載である井街9)の4家系を含めても,現在まで9家系が知られているのみである。
掲載誌情報