文献詳細
臨床報告
強膜ブドウ腫をきたしたvon Recklinghausen病の1例
著者: 北原博1 小早川幸代1 河合一重1 斉藤恒秋1 北原健二1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1229 - P.1233
文献概要
Von Recklinghausen病(以下R病と略す)は,全身の末梢神経に多発性の神経線維腫を生ずる系統的な疾患で,眼科領域においても,1863年Billroth以来多数の報告があり,その眼症状も極めて多彩で1,2),眼瞼,虹彩,毛様体,脈絡膜,網膜,視神経,眼窩などの各部位に神経線維腫が形成されてくることは良く知られている。しかし,R病が水眼症を合併することは比較的稀とされており,本邦では,1908年河本3)が記載して以来,数例の報告があるが,強膜ブドウ腫をきたした症例は,文献的にもこれをみない。
われわれは,R病によつて強膜ブドウ腫をきたした1例を経験し,その発生機転について考察を加えたので報告する。
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