icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻8号

1978年08月発行

文献概要

眼の臨床局所解剖

結膜角膜上皮層(その2)

著者: 三井幸彦1

所属機関: 1徳島大学

ページ範囲:P.1254 - P.1255

文献購入ページに移動
角膜はビラン(Erosion)および潰瘍(Ulcer)の好発部である。ではビランと潰瘍とはどうちがうのであろうか。医学辞典をみても,病理学書をみても,明確な定義を記載したものが殆どない。私の探した範囲では唯一つ緒方・三田村病理学総論に次のようにはつきり定義してあつた。"ビランとは,粘膜層あるいは角膜の上皮層,皮膚の表皮膚にのみ限られた欠損をいい,潰瘍とは更に深部にまで及んだ欠損をいう。"
 病理学総論という立場の小さな本で人体の表面の組織を粘膜と皮膚に分けるだけでなく,「角膜」という特殊な組織を独立させてあることは驚くべきである。こういう前書きをした理由は,ひとつには人体の外皮を考える場合,角膜は特殊な局所解剖の対象になるということもいいたかつたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?