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連載 眼科臨床レントゲン診断学・8
各論(5):眼窩底骨折—Blowout fracture—のX線写真
著者: 深道義尚1
所属機関: 1昭和大学
ページ範囲:P.1256 - P.1257
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眼窩底骨折の診断は,難しいと考えられているようである。しかし,受傷直後より生ずる眼球の上下方向への運動障害と,X線写真の所見によれば,その診断はむしろ容易なものと考えられる。本症にみられるこの眼球の上下方向の運動障害は,眼窩底に生じた骨折部位に,眼窩内組織が,骨折の生じた瞬間に嵌頓することにより生ずることは,既によく知られている事実である。X線写真による診断も,この眼窩底の下方に存する上顎洞内に,嵌入嵌頓した眼窩内組織の像を,X線写真上に陰影として確認することにより行われている。この上顎洞内に生ずる陰影には,一部に洞内粘膜下に生じた血腫の像も含まれていると考えられるが,大部分は嵌頓した眼窩内組織の像と考えてよいようである。
眼窩底骨折の診断は,難しいと考えられているようである。しかし,受傷直後より生ずる眼球の上下方向への運動障害と,X線写真の所見によれば,その診断はむしろ容易なものと考えられる。本症にみられるこの眼球の上下方向の運動障害は,眼窩底に生じた骨折部位に,眼窩内組織が,骨折の生じた瞬間に嵌頓することにより生ずることは,既によく知られている事実である。X線写真による診断も,この眼窩底の下方に存する上顎洞内に,嵌入嵌頓した眼窩内組織の像を,X線写真上に陰影として確認することにより行われている。この上顎洞内に生ずる陰影には,一部に洞内粘膜下に生じた血腫の像も含まれていると考えられるが,大部分は嵌頓した眼窩内組織の像と考えてよいようである。
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