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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻8号

1978年08月発行

薬の臨床

Tobramycin点眼液の手術前結膜嚢無菌法使用実験

著者: 高島玲子1 近藤千代1 山根伸太1 小川剛史1

所属機関: 1徳島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1267 - P.1273

文献概要

緒 言
 Tobramycinは,1971年にリリー社が開発した新しいAminoglycoside系抗生物質であり,Stre-ptomyces tencbrariusが産生する抗生物質混合物Nebramycinの一成分(Nebramycin Factor 6)である1)。TobramycinはGentamicinと構造式および抗菌スペクトルが共に類似しており,他剤耐性ブドウ球菌などのグラム陽性球菌および緑膿菌をはじめとするグラム陰性菌に対し,優れた抗菌作用を持つと云われている1〜4)。TOBの点眼液は,生理的食塩水1ml中にTobramycinを3mg力価(0.3%)溶解したもので,防腐剤として塩化ベンザルコニウム0.025mg/mlを含む,pH7.4の透明な水性点眼液である。室温で少なくとも2年間は安定であるという5)
 眼科では他科と違つて,抗生物質は治療に使われるだけではなく,手術前無菌法としても用いられている。結膜嚢は強い消毒薬を用いることができないので,手術前に一定期間抗生物質を点眼し,結膜嚢内を無菌とするのである。私どもはTobramycin点眼液を術前無菌法に試み,使用する価値があると判定されたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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