icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻9号

1978年09月発行

臨床報告

1977年の急性出血性結膜炎小流行時の眼症状と潜在性神経障害

著者: 岡和田紀昭1 柳田和夫1 市川宏1 丹羽得三 飯田光男2 祖父江逸郎2

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2名古屋大学医学部第一内科学教室

ページ範囲:P.1329 - P.1336

文献概要

緒 言
 急性出血性結膜炎(以下AHCと略す)の臨床報告は1970年のガーナにおけるCharttcrjeeら1)の発表以来世界各地から相次ぐ報告があり,病原菌ウイルスは甲野ら2)によつてEntero-virus群の新しいタイプであることが分離固定され,神経合併症の発生が予測されていた。AHCの神経合併症としてRadiculomyelitisをはじめて注目したのは,インドでの大流行時のBharuchaら3),Wadiaら4)の報告である。以来台湾5),セネガル6),タイ7)の各地からの報告が相次ぎ,神経合併症の頻度はAHC罹患者2万人に1人の割合と推定されている。幸い本邦では1971年の初流行以来今日まで未だ神経合併症の報告がないが,甲野8)は九州で神経合併症の1例が確認されたと総説の中で述べている。AHCの神経合併症が将来本邦に出現する危険性は十分考えられるが,これに対しいまだ系統的な調査はなされておらず,わずかに共同研究者の丹羽ら9)がAHC罹患後の不定愁訴を長期に観察した報告がある程度である。
 今回われわれは1977年に名古屋市および近郊で発生した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら