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総説
緑内障の視野—パターンと進行形式
著者: 湖崎弘1
所属機関: 1湖崎眼科病院
ページ範囲:P.9 - P.20
文献購入ページに移動緑内障の視野は,診断・治療効果の判定・経過観察に欠くべからざるものであるが,そのパターンは弓形暗点・nasal step・末期までの固視部残存・周辺の島状残存が特異的なものとして成書にあげられている。しかしながら緑内障視野のすべてが特異的なものばかりでないこともよく知られている事実であるが,非特異的視野がどの病期にどの程度の比率に存在するかの具体的なことは全くわかつていない。この点は視野から緑内障を診断する上で大きな支障を来たす。
一方緑内障視野がどのような形式をとつて進行するかについては,わずかにTraquairの成書1)に視野欠損が固視点の周囲を取りかこむ方向に進むものと,早くから周辺に破裂するものの2通りあると記載されているのみで,この進行形式がわかれば予想が立つので実際の視野検査の上で大いに助かる。また更に病期ごとの進行の速度・可逆性がわかれば治療の上で,濃淡・緩急を使いわけることができ,これまた臨床上大いに役立つ。このような目的から臨床経験に基づきパターンと進行形式を分析しみた。
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