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臨床報告
前交通動脈瘤による片眼失明の1例
著者: 池田公行1 夏目重厚1 谷栄一1 可児一孝2
所属機関: 1兵庫医科大学脳神経外科学教室 2兵庫医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.34 - P.38
文献購入ページに移動脳底部に発生する脳動脈瘤により,さまざまな視野障害が起ることが報告されている。内頸動脈瘤,特に巨大動脈瘤によつて視神経が障害される場合には,しばしば動眼神経その他の脳神経の症状を伴うため,診断は比較的容易であると考えられる。中大脳動脈瘤による視野欠損は,視神経に対する直接の障害によるというよりは,脳内での視放線の障害によるものが多いと考えられる。前交通動脈瘤は,その解剖学的な関係より,視神経に直接に障害を及ぼすことがあるものと考えられるが,その頻度はかなり稀なものである。われわれは,急速に片眼の失明をきたし,CT,頸動脈写および手術によつて,前交通動脈瘤による視神経の直接の圧迫による障害と診断された1例を経験したので報告する。
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