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臨床報告
新型夜間視力計による民間航空機運航乗員の夜間視力判定規準の設定
著者: 蒲山俊夫1 常岡寛1 福田順一1 楢崎嗣郎1 牧田紀子2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室 2日本航空乗員健康管理室
ページ範囲:P.45 - P.50
文献購入ページに移動民間航空機運航乗員の適性検査の一つとして,夜間視力検査がある。この検査は,高輝度下にある眼が,突然薄明状態に入つた時,可及的速やかに対象物を視認するには,どの程度の時間でどのように視力が回復するかを検出するとともに,薄明順応中の低照度視力も同時に調べるために行なう検査であり,単に航空機運航乗員のみならず,一般交通機関乗員の適性を知るためにも必要であり,交通眼科領域における大きな課題の一つであろう。
わが国の運輸省航空局の航空身体検査マニュアル1)には,この夜間視力の検査方法および検査上の注意として,「現在のところ簡便な検査装置がないため,つぎの検査法でスクリーニングする。比較暗室にて,近距離視力表の0.3の視標を読ませる。疑わしいものは,ADAPTO METER又はNYKTO METERを用いる。」と記載してある。しかし,このスクリーニング法は,条件設定を一定にすることが困離であり,適性検査として適した方法とはいえない。また現在使用されているAdaptometerおよびNyctomcterは,測定に時間がかかり,身体検査時に多数の者を短時間に検査することは,困難である。
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