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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻10号

1979年10月発行

文献概要

総説

神経眼科的診断法—視覚誘発電位(VECP)

著者: 安達恵美子1

所属機関: 1浜松医科大学第一生理

ページ範囲:P.1313 - P.1319

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はじめに
 視覚誘発電位(Visually Evoked Cortical Po-tentials,VECP)は,視覚刺激,例えば光とか図形によつて誘発される大脳皮質視覚領附近の電位変化のことをいう。視覚機構を受容器細胞の観点から解析し臨床応用する方法には,自覚的応答によるものと他覚的な電気生理学的手法の二つがあるが,被検者に信頼しうる自覚的応答が期待できない場合,例えば,乳幼児,白痴,詐病,ヒステリーなどでは,後者の威力が発揮される。既に網膜レベルではERGがルーチンに用いられているが,大脳レベルでのVECPはまだ研究の域を出ない憾みがある。その理由は1)数μVオーダーの微少電位のためS/N改善に高価な装置が必要なこと,2) S/N改善に,例えば加算法が必須のため,記録時間が長びくこと,3)刺激パラメータが多彩なため,VECPも多彩で複雑なこと,4)個人差が大きいことなどがあげられる。しかしながら,ここ10年のPattern VECPの急速な進歩は着実にまとまる方向に動いて来た。本論文では,主として最近のわれわれの研究およびAm-sterdamグループ,KeeleグループらのPatternVECPを中心に紹介しながら,ヒトのVECPをいかに記録すべきか,また,今後どの様な応用発展が考えられるかについてのべる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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