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臨床報告
涙嚢鼻腔吻合術(500余例の経験から)—その1 手術術式と成功するための要点について
著者: 山崎守成1
所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1327 - P.1332
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慢性涙嚢炎に涙嚢鼻腔吻合術(以下D.C.R)を施すと,流涙も膿漏も治つてしまう。慢性涙嚢炎は眼科医にとつて,日常扱う重要な疾患の一つでDCRの適応は多い。また,時には内眼手術の前提ともなり,DCR技術修得は大切な意味を持つ。にもかかわらず,DCRは耳鼻科との境界領域に存在するため,眼科医には取付きにくい,難しい手術という印象が強く,眼科治療の周辺的存在となつて,手術を手懸けるのがおつくうになり,一般的普及は遅れがちである。本邦での手術術式の詳細な紹介はすでに弓削1),長嶋2),丸尾3)が行つている。これらを基とし,私は1967年以来500例を越すDCRを経験した。その間自分なりの技術改良を加え,現在ではほぼ100%の症例に目的を達せられる様になつたのでDCRの一法として記述紹介し,私なりの手術成功のための要点も合わせて報告する。
慢性涙嚢炎に涙嚢鼻腔吻合術(以下D.C.R)を施すと,流涙も膿漏も治つてしまう。慢性涙嚢炎は眼科医にとつて,日常扱う重要な疾患の一つでDCRの適応は多い。また,時には内眼手術の前提ともなり,DCR技術修得は大切な意味を持つ。にもかかわらず,DCRは耳鼻科との境界領域に存在するため,眼科医には取付きにくい,難しい手術という印象が強く,眼科治療の周辺的存在となつて,手術を手懸けるのがおつくうになり,一般的普及は遅れがちである。本邦での手術術式の詳細な紹介はすでに弓削1),長嶋2),丸尾3)が行つている。これらを基とし,私は1967年以来500例を越すDCRを経験した。その間自分なりの技術改良を加え,現在ではほぼ100%の症例に目的を達せられる様になつたのでDCRの一法として記述紹介し,私なりの手術成功のための要点も合わせて報告する。
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