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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻11号

1979年11月発行

文献概要

臨床報告

MLF症候群における垂直眼球運動障害

著者: 清水公也1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院,眼科

ページ範囲:P.1420 - P.1423

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緒 言
 MLF症候群1〜3)は核間麻痺inter nuclear oph-thalmoplegiaと言われているもので,内側縦束medial longitudinal fasciculus (以下MLFと略す)の障害により発生するとされている。MLFは,中脳上端より延髄下方に及ぶ線維で前庭神経核,眼球運動核を連絡している。一側のMLF症候群の症状は,(1)患眼の内転障害,(2)反対側眼の外転時に発生する単眼性水平性眼振,(3)輻輳運動は正常であるという,三つの症状とされている。以上の様に,MLF症候群は,水平性眼球運動障害として研究され,分類された。Cogan4)はMLF症候群を3型に分け,内転障害に輻輳障害も加わつているものを,前部型(anterior type)としMLFと外転神経核の障害,または,MLFと橋傍内側網様体 (Parapontine Reticular For-mation,以下PPRFと略す)の障害のあるものを,後部型(posterior type)とし,他のものを,中間型(midzone type)と分けている。posteriortypeで,MLFとPPRFの障害では,患側眼の内転,外転障害と,健側眼の内転障害も起こることより,one and half syndrome5,6)とも紹介されている。しかし,MLF症候群における垂直眼球運動についての研究は少ない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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