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臨床報告
眼筋型重症筋無力症患者prednisolone療法前後の中枢神経伝達機能の推定—終夜睡眠ポリグラフィによる研究
著者: 若倉雅登1 福田敏雅1 石川哲1
所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1429 - P.1433
文献購入ページに移動重症筋無力症(MG)の中枢神経系の関与を述べた報告は極めて少ないが1),偽核間麻痺や調節輻湊の種々の異常など2),末梢性因子のみでは十分に説明しきれない症状を呈することがが知られている。また中枢にcholinergic fibresが多数あることから3),MG患者の中枢神経系に何らかの異常が存在することは推定可能である。事実Popeら4)以来多くの研究者により中枢choliner-gic mechanismsの関与が指摘されてきたけいれん発作1)が本症と合併したり5),脳波上にてんかん性異常がみられることが知られている6〜8)。われわれはこうした点に注目して,本症の睡眠ポリグラフによる研究を発表したが9),最近,中枢cholinergic functionの異常を推定しうるREM睡眠の分析法を考案した10)。本法を用いて,MG患者の終夜睡眠ボリグラフィを分析し,さらにprednisolone大量隔日投与を行つた患者の,治療前後の終夜睡眠ボリグラフの記録を検討したところ,極めて興味ある結果が得られたので報告する。
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