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眼科手術学会
口腔粘膜移植とシリコンスポンジ使用による涙嚢鼻腔吻合術変法
著者: 近藤武久1 栗橋克昭2
所属機関: 1神戸市立中央市民病院眼科 2島田市民病院眼科
ページ範囲:P.1435 - P.1439
文献購入ページに移動鼻外法による涙嚢鼻腔吻合術Dacryocystorhi-nostomy (DCRと略す)は涙道開通手術の主流であり最も確実で優れた方法である。われわれも先に過去2年間にDCRを行つた23例を集計し,成功率91.3%の成績をおさめ,症例さえ選択すれば100%成功する手術であることを報告した1)。このDCRは1904年にToti2)が初めて鼻外法を行い,1920年にDupuy Dutemps & Bourguet3)が粘膜縫合を行い今日のDCRの術式を確立した。しかしDCRの技術的改善による適応範囲の拡大,他の術式との併用など検討の余地は残されている。とくに近年,眼科顕微鏡手術の導入により,粘膜縫合が綿密に容易に行えるようになり手術適応の拡大が可能となつた1)。われわれは従来DCRの適応とならなかつた小涙嚢の症例や再手術の症例に対し,口腔粘膜移植とpluggingagentとしてシリコンスポンジを用いて行うDCR変法を行い好結果を得たので報告する。
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