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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻11号

1979年11月発行

文献概要

斜視の原因と治療

Ⅸ.Slave Eye外直筋へのImpulseとその伝達機構 その1

著者: 三井幸彦1

所属機関: 1徳島大学

ページ範囲:P.1456 - P.1457

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 外斜視の発生原因はMaster eyeのProprioceptionから常在性にImpulseが発信され,これがSlave eyeの外直筋にだけ伝達されるためにおこると老えられるが,この伝達の機構については稿を改めて書くことになつていた。
 ここでもう一度外斜視に特有のMagician's Forceps(MF)と一般に見られるReverse Phase Reflex(RPR)との関係をみよう。MFとRPRとが同時におこると両者は区別し難いことがある。しかし外斜視患者でMFだけがおこつてRPRのおこらない「場合」が少なくない。MFが単独におこつた場合にはその反応はall ornone formに近く,ピンセットに抵抗を感じない。RPRには明瞭なDose responseがあり,Master eyeはピンセットに強い抵抗を示す。MF単独の時にはMaster eyeを更に強制内転しても,Slave eyeは正中線を越えて内転しない。そういう例のEMGをまずお見せしよう(図1)。図1は右眼外斜視でMFだけしかおこらなかつた「時」のEMGである。右眼が外斜した状態では,右眼外直筋に強い収縮があり,内直筋のTonusは低下している。左眼(Master)の内外直筋の放電はほぼ等しい。右眼が外斜しているのはその眼が安静位をとつたからではなく,外直筋が異常収縮した結果であることが一目瞭然である。MF現象がおこると右眼は正位になる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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