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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
Ocular toxocariasisの1例
著者: 近藤和義1 三嶋弘1 辻守康2
所属機関: 1広島大学医学部眼科学教室 2広島大学医学部寄生虫学教室
ページ範囲:P.157 - P.162
文献購入ページに移動犬蛔幼虫による眼球の移行幼虫症候群(viscerallarva migrans syndrome)の報告は,欧米では1950年のWilder1)を始めとしてその後多くの報告がみられる。これに対して,本症の罹患条件が欧米とほぼ同じと考えられるにもかかわらず,わが国における本症の報告は,吉岡2),近藤3)の2例をみるのみできわめて少ない。
最近われわれは,ブドウ膜炎で発症し,炎症の消退とともに網膜下に"虫跡"と思われる灰白色の線条が広範囲に観察され,免疫電気泳動法でtoxocara canisと診断された1症例に遭遇したので,その概要を報告する。
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