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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
眼瞼型春季カタルの冷凍療法
著者: 小森敏郎1 杉谷幸彦1 広瀬清一郎1 早野三郎1
所属機関: 1岐阜大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.179 - P.186
文献購入ページに移動春季カタルの原因は,不明であるが高温または光線のような物理的要素が誘発因子となつて,外因性アレルゲンまたは自己免疫によつて結膜に過敏性が発生し,アトピー性体質,内分泌異常やワゴトニーのある若年者に好発する疾患であるとDuke-Elder1)はのべ,多くの人々もこのように理解している。本症の根治療法は未だないが,発症再燃時に対症療法を行なつて自然治癒を待つのが通例である。対症療法に最も効果を発揮するのはステロイド剤の投与であるが,時に治療に抵抗し,角膜障害を併発したり経過が遷延する難治性のものが見られる。これらに対しては,ステロイド全身投与1),β線療法2,3),結膜瞼板の切除術4)など種々な治療が試みられているが,副作用の点から長時間の治療には適さないものもある。ところで,Amoils5)は1975年,眼科における冷凍手術の応用として,春季カタルに冷凍療法を試みその成果を,また本邦では古く1924年,秋谷6)が春季加答児に対し雪状炭酸を貼用してその効果をのべているが,追試報告は内外を通じてない。今回われわれはすでに種々な治療が行なわれたにもかかわらず角膜障害を併発した難治性の眼瞼型春季カタル8例に冷凍療法を試み二,三の知見を得たのでここに報告する。
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