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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
Open-angle glaucoma初期症状発現の場としてのPosner-Schlossman's syndrome
著者: 岩田和雄1 難波克彦1 祖父江邦子1 今井晃1
所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.203 - P.209
文献購入ページに移動ある程度進行した緑内障では視神経乳頭は定形的な陥凹と萎縮を示し,視野にも定形的な欠損が証明される。しかし何の症状,所見もない眼において,わずかの眼圧上昇が出没し,それが続いているときに,どのような症状,所見がどのように出現し,進行するものかについては全く知られていない。最近Hoyt1)は網膜神経線維層の弓形の欠損が緑内障の他覚的初期症状となりうることを推定している。現在動物実験により慢性型の実験モデルを作ることは尚技術的な困難がある。
Posncr-Schlossman's syndromeは何れの例も短いときは1〜2日,長くとも8〜10日以内で終る比較的高くないレベルの眼圧上昇が時折り繰り返して起こるという,かなり限定された条件により規定されている自然界の優れた実験モデルともいえる。
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