臨床眼科33巻2号

1979年02月発行

特集 第32回日本臨床眼科学会講演集　（その1） 学会原著

Paecilomyces lilacinusによる眼炎の1例

著者： 安藤展代¹ 山本倬司¹ 中嶋英子¹ 加藤進¹ 一戸正勝² 高鳥浩介³ 吉田寛子⁴

所属機関： ¹神奈川県立足柄上病院 ²国立衛生試験所 ³食品薬品安全センター ⁴吉田眼科医院

ページ範囲：P.217 - P.223

緒　言
　近年真菌症の増加が注目を集め，検出される真菌も非常に多岐にわたる傾向にある。眼科領域においても，Aspergillus, Candida, Fusarium等を初めとして，種々の真菌のOpportunistic infectionを起した症例が報告されている。私たちはこの度やはりその範疇に属するものとして，Paecilomyceslilacinusによる眼炎を経験したので報告する。眼真菌症より本菌が分離されたのは本邦では初例と思われる。