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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻2号

1979年02月発行

文献概要

眼科手術研究会

嚢外摘出:Binkhorst 2 loop lens挿入術について

著者: 杉田慎一郎1

所属機関: 1杉田眼科病院

ページ範囲:P.225 - P.229

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緒 言
 一眼性白内障,特にかなり高年齢の患者を手術すべきか否かは,以前から疑問とされて来た。レンズによる矯正はいろいろな問題を含んでおり(Jack-in-the box phenomena),コンタクトレンズも諸家の統計の示すごとく,永年装用できる人は30%以下であつてみれば,一眼性白内障手術後のリハビリテーションには困難な問題が多い。眼内レンズはこの問題解決にかなり適切な方法ではあるが,人工レンズを眼内に入れ長期間必ず安全かどうかは未解決の問題であり,著者自身の30年以上の臨床において眼内レンズは浮んでは消え消えてはまた浮んできた課題の一つであつた。
 BarraquerはStrampeliの眼内レンズで永年勇敢な挿入手術を行つてきたが,1962年,ついに手術を断念した。その翌年,RohrschneiderとRe-mkyはミュンヘン大学において,Danheimレンズをかなり多数眼内に挿入していた。しかし,その後間もなくこの手術を中止した。これらは著者が親しく見聞したところである。こうした事実が著者をして,長年月に渡り眼内レンズ挿入術に関心を向けさせなかつた原因であつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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