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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
網膜下液に関する研究—第1報 ヒト網膜下液中細胞の形態学的研究
著者: 柳田泰1 筑田富士雄1 高橋茂樹1 佐藤佐内1 浜井保名1
所属機関: 1山形大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.353 - P.358
文献購入ページに移動裂孔原性網膜剥離は,近年,その手術方法の改良に伴い80〜90%の治癒成績が得られるようになつた。しかしながら,手術の成功にもかかわらず,視力の予後に関しては必ずしも満足のいくような結果が得られないのが現状である。Mache-merら1〜3)のサルを使つての研究ならびに一連の実験的網膜剥離の研究4〜6)は,網膜の変性過程および修復過程を知る上で興味深い。一方,網膜下液(以後SRFと略)の生化学的研究に関する報告7,8)は多いが,その形態学的研究はあまりなされていない。光顕ではLam9)やFemanら10)の報告があるが,電顕にてはLaszezyk11)およびFeeneyら12)の二つの報告があるにすぎない。
今回,われわれは日常臨床において比較的入手しやすいSRFの細胞構成がいかなるものであるか,また,その形態を調べることにより,生体内における変化の過程,ひいては視力の予後が推定できぬものかどうかと考え,以下の実験を試みたのでここに報告する。
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