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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻4号

1979年04月発行

文献概要

連載 眼科図譜・257

網膜神経線維層の欠損

著者: 岩田和雄1 難波克彦1 祖父江邦子1

所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.408 - P.409

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 Retinal nerve fiber layer(RNFL)の欠損に関するHoyt1,2)らの報告は,眼底検査を日常の仕事としてきた人々にとつて衝撃的な出来事であり,眼底はなお未知の情報の宝庫でありうることをあらためて認識させてくれた。視神経の経路における消耗は,逆行性に網膜の視神経線維層(RNFL)に反映し,綱膜面である幅をもつた神経層欠損として観察される。やや進行した緑内障では,しばしば明瞭なクサビ型欠損として観察されるが,その他視神経症,視神経外傷,循環障害等他の病態においても良く発見される。眼底の光凝固後にも上向性および下向性欠損が観察できる。観察方法にやや制限があり,倒像法では大型の欠損を除けば困難である。直像鏡でもコントラストのつよい欠損は判別できるが,弱いものは判別でき難い。スリットランプは無赤光観察もできるので優れているが,観察視野が狭く,全体像の把握ができ難い欠点がある。眼底カメラで覗くのがもつとも良い。カメラを左右に振るとパララクスによる立体的読みができる。またRNFLのアーチ状欠損が全視野に入り,判断が容易であるし,rim notching (乳頭内縁の切れ込み)との関係が一目瞭然となる。通常35mm版は硬調で粒子荒く,ディテールに欠けるので,6×6cm版位の拡大撮影が望ましい。平行移動によるステレオ撮影は最高の分解能を有し,細い欠損でも明確に"抜け"として認識できる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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