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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻4号

1979年04月発行

文献概要

総説

Vogt−小柳−原田病

著者: 杉浦清治1

所属機関: 1国立函館病院

ページ範囲:P.411 - P.424

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はじめに
 Vogt−小柳−原田病(以下原田病と略す)は身体各所を侵す全身病であるが,臨床医学的研究が主として日本人によつて推進されてきた特筆すべき疾患である。診断に関してはわが国ではまず問題はないが,欧米では症例が少ないためもあつて,本病の概念,診断基準などに若干の混乱があるように見受けられる。著者らは一連の臨床研究によつて,本病が特定の免疫遺伝学的素因をもつた入に多く,また病変の基底にある免疫反応が眼および皮膚に共通のものがあることを明らかにした。髄膜,内耳においても同様であろうと推定される。この意味からは,本病は「症候群」というより「病」と呼ぶのが適当であろうと考える。
 本稿においては臨床像,診断基準について本病の概念を整理し,本病の原因,発病機序について著者の考えを述べてみたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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