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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著
いわゆる"Congenital retrolental fibroplasia"の病理組織所見
著者: 大河内雄幸1 酒井寿男1 上野真1
所属機関: 1浜松医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.441 - P.446
文献購入ページに移動未熟児網膜症がTerry1)により報告されて以来,その発生,進行に関して,特に生下時体重,在胎期間,酸素使用等が主要因子と考えられ,数多くの研究が行われて来た。また,近年,未熟児網膜症が社会的にも大きな問題となるにつれて,未熟児のみならず成熟出生児の眼底検査もしばしば行われる様になつた。
この様な酸素未使用の成熟児に,未熟児網膜症活動期および瘢痕期類似の所見を示した症例の報告2〜4)があり,Karlsberg ら2)は"congenital re-trolental fibroplasia"と報告している。しかし,これらが本来の未熟児網膜症と全く同じ発生機序,病態かについては明らかでない。今回,肉眼的に未熟児網膜症瘢痕期3度類似の所見を呈する眼球の剖見を行つたので,その病理組織所見の発表を行うと共に,従来の報告例についても検討を行つた。
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