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臨床報告
Vergence-prismsによる先天眼振の治療経験
著者: 新居純子1 内海隆2 綴木満子1
所属機関: 1内海眼科医院 2大阪医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.543 - P.545
文献購入ページに移動先天眼振に対する治療法としては,そのfaccturnに対し,手術(Andcrson法など)およびversion prisms装用が主に行なわれ,眼振そのものを減弱させる手段はあまりとられていない。眼振そのものを減弱させる方法としては,CüppersのFadenoperationが最近行なわれ始め,わが国でも報告1)されている。また,三井の唱える水平筋の切断ぬいつけ術(筋を付着部で切断し,すぐ元の付着部へぬいつける)も報告2)されている。一方,Dell'Ossoの唱えるvergence prismsによる治療法3〜5)は,非観血的であり,簡便に外来通院で行なうことのできる方法であるが,わが国では未だ追試されておらず,報告もない。そこで今回われわれは,典型的な先天眼振の一成人男子例に対し,vergence prismsによる治療を試みたところ,視力が格段に上昇するという望外の成果を得たのでここに報告する。
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