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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻4号

1979年04月発行

文献概要

斜視の原因と治療

II.外斜視の原因と治療

著者: 三井幸彦1

所属機関: 1徳島大学

ページ範囲:P.554 - P.555

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 外斜視は眼の安静位が外斜の人がFusionを喪つておこるのではなく,本来正位の人において,注視眼(Mastereye)から異常なSensori-motoric reflexが発生して,他眼(Slave eye)の外直筋を収縮させる結果おこるものであること。外斜位(Exophoria)の人ではこのReflexはFusionが優位にある時はおこらないが,例えば1眼を遮閉してFusionを妨げれば,遮閉眼はSlave eyeになる。開放眼はMaster eyeになり,光刺激下においてSlave eyeの外直筋を収縮させるReflexを発信するようになる。
 Fusionの優位性が低下すると1眼を遮閉しなくとも遠見時や,注視の意志が低下している時には,MastereyeがRefiexを発信し,Slave eyeが外転する。同時にSlave eyeの視力に抑制がかかる。これが間歇性外斜視Phoria-tropiaである。このRefiexは光刺激がなければ伝達されないから,光刺激を絶てば正位に戻る。やがてReflexが常在性のImpulseになつた時,外斜視Exotropiaになる。常在性のImpulseは光刺激がなくとも伝達される。したがつてExophoria(phoria-tropiaを含む)は暗室では正位になるが,Tropiaになると光刺激を絶つただけでは正位にならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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