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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻4号

1979年04月発行

文庫の窓から

啓迪集(1)

著者: 中泉行信1 中泉行史1 斉藤仁男1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.556 - P.557

文献概要

 わが国の医学は在来医学を除いては,インド,中国医学の影響を強く受けて次第次第に発展してきたが,奈良,平安時代から鎌倉時代頃までは,わが国が一方的に中国より学ぶものが多く,いわば模倣の時代であつて,医書などもほとんどが中国や朝鮮伝来のものが使用され,いわゆる模倣医学の時代といつても過言ではない。
 室町時代以降江戸時代の中期にかけては,中国の金,元および明代の医学が入り,医書もその翻刻やそれを基にした著述が行なわれ,ことに明代の医学が田代三喜(1465-1537)らによつてとりいれられ,曲直瀬道三(1507-1595)らによつて広められてから,わが国の医学は宗教と医学が分離する方向に進み,医術の段階から科学的基礎知識の上にたつて考えられた,いわゆる実証医学へ漸く変つてきたということができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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