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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 教育講演
眼科医療の需要と供給
著者: 中島章1
所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.591 - P.599
文献購入ページに移動15,6年前,日経新聞に名古屋のある眼鏡店の社長が,眼の健康管理が眼鏡商の任務であるかのごとき文章をのせたことがある。本来,眼の健康管理は眼科医が中心となつて進めるべきが当然である。そこで日経新聞に抗議を申込み,その結果,その社長とこの点について編集部を交えて対談を行い,上の原則を確認して日経新聞に掲載してもらつた。本年4月この人が理事長になつて4年制の眼鏡専門学校が開校した1)。また,これ以外にも,日本に検眼士制度を確立しようという動きがある。一方アメリカは眼科医と検眼士との間の業務分担をめぐつて多くの人々が議論しており2〜4),昨年10月ダラスで開催された第82回全米眼耳鼻科学会においても"Manpower in Oph-thalmology"というシンポジウムが開催され,検眼士問題を含む眼科診療従事者の問題について取り上げ,立ち入つた討議を行つている5)。一方,日本眼科学会では,眼科専門医制度検討委員会が東北大水野勝義教授を座長として発足し,専門医制度を導入する方向で検討がすすんでいる。
これらは,眼科医療の需要供給の問題と密接に関係している。
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