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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
高解像力スリットランプ写真撮影の臨床的応用—(その1)試作機の構成と実験成績
著者: 野寄喜美春1 糸井素一2 千代田和正1 小田治雄3
所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室 2京都府立医科大学眼科学教室 3日本光学工業(株)
ページ範囲:P.617 - P.620
文献購入ページに移動前眼部の写真撮影とくにスリットランプ撮影については,多くの報告がある。しかし最も重要な撮影系の構成には,低倍率撮影(0.5〜1倍)では,通常の写真レンズを用い,高倍率(3〜10倍)では,スリットランプの顕微鏡を利用する方法が広く行われている1)。これらのレンズは前者は拡大撮影用として設計されていないし,後者は専ら観察用であるために,高倍率撮影では得られる写真の鮮鋭度が劣るという欠点がある。
一方に照明系では光の均等性,スリットの鮮鋭度などの問題があり,これらも撮影系とともに考慮しなくてはならない。しかし今回は最も影響が大と考えられる撮影系レンズの改良により,前眼部の精密な写真撮影を行う目的で,3〜10倍拡大用の高解像力対物レンズを設計試作し好結果を得た。
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