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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
網膜中心動脈閉塞症の色光ERG特性
著者: 吉田輝也1 小林雄二1 宇治幸隆1 新里研二1
所属機関: 1三重大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.667 - P.674
文献購入ページに移動網膜電図(ERG)は網膜の循環障害特に網膜中心動脈閉塞症(以下本症と略す)の診断には不可欠のものでnegative ERGの典型として知られ,そのb波が減弱することはHenkes1),Karpe2),Vannas3),浅山4)などにより報告されている。さらに米村5)により強力キセノン閃光刺激により誘発される律動様小波が本症で減弱することが述べられて以来それに関する報告もある6)。Brown7)による人為的に網膜循環を止める実験でも著明なb波の減弱を認める。本症におけるPⅢの分離に関しては河崎8)の報告が見られそのPⅢの意味についても述べられている。今回私は,本症5症例(毛様網膜動脈の発育がよく中心視力,視野を残した例,網膜動脈枝閉塞例各1例を含む),眼動脈閉塞症例2,網膜中心静脈閉塞症1例,総頸動脈結紮を行つた1例について色光ERG記録を行い,主にそのPⅢ様反応の色光特性について検討した。
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