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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻5号

1979年05月発行

文献概要

斜視の原因と治療

Ⅲ.外斜視の手術

著者: 三井幸彦1

所属機関: 1徳島大学

ページ範囲:P.722 - P.723

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 前回,外斜視を手術する場合,斜視眼(Slave eye)ではなくて注視眼(Master eye)を手術すれば,手術は単に物理的なものではなく,少なくとも一部分外斜視発生の原因をついた治療法になることを述べた。今回はこのことを実際の例でお見せする。図1を見ていただきたい。前回Magician's forcepsでお見せした患者である。図1−Aは手術開始時の所見である。左眼が注視眼で右眼が外斜している。Master eye (左眼)を手術している。手術は,この眼に持続的にMagician's forcepsを働かせるという狙いで,まず内直筋の短縮と次いで外直筋の後転を併用した。両直筋を同時に手術することが望まれる。その理由は手術の効果は物理的なものではなく,内外直筋から発信されるproprioceptive reflexの遮断が関係するように思われるからである。
 図1−Bは手術中の所見である。左眼(Master eye)の内直筋を短縮する程度により,右眼(斜視眼)の眼位をどのようにでもControlできることを示した写真である。図1−CはわずかにOvercorrectionの状態で内直筋の短縮を終わつたことを示す。この状態で外直筋を同じ程度後転して手術を終わるのが良い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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