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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻6号

1979年06月発行

文献概要

特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

瞼裂と眼球の位置関係—子供の仮性内斜視は大人になれば治る

著者: 増田勝子1 赤沢和美2 三井幸彦2

所属機関: 1徳島大学病院視能訓練部 2徳島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.773 - P.777

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緒 言
 仮性斜視を起す原因はいろいろある。たとえば黄斑偏位があれば,終生治ることのない仮性斜視をおこす。日常私共が最もしばしば遭遇するのは子供の仮性内斜視である。子供が仮性内斜視になりやすい原因は,子供は鼻骨が低く,両内皆間の間隔が広くなつてEpicanthusを作りやすく,そのため瞼裂部の鼻側強膜露出部の面積が狭くなつて,内斜視に見えやすくなると言われていた1)。そして成長と共に鼻骨が隆起し,内皆部の皮膚を牽引することにより瞼裂の内皆部側が広くなり,大人になれば治ると言われていた。
 私共は子供の眼と大人の眼を計測によつて解析した結果,従来の考え方は子供の仮性内斜視の原因の一部分をなしているかも知れないが,主な原因は子供は瞳孔中心間の距離が顔や瞼裂の大きさに比較して短かく,そのため内斜に見えやすいが,成長と共に眼球が成長のProportion以上に外方に移動して正位にみえてくることにあるという結果を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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