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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著
上眼窩部神経痛を訴えた鼻,副鼻腔炎患者の統計的検討
著者: 葉田野博1 塩貝敏之1 秋山理津子1 戸塚とし子1 笠原行喜2 千葉智2 松田武夫2 勝目恵一2
所属機関: 1杏林大学医学部眼科学教室 2杏林大学医学部耳鼻科学教室
ページ範囲:P.819 - P.823
文献購入ページに移動日常の診療にあたり眼痛,頭痛等の眼精疲労様症状を訴える人達の中で,屈折異常以外に眼科的に特記すべき病的所見がなく,屈折異常を矯正しても眼精疲労様症状がとれない一群の患者が認められる。これらの者に対し上眼窩部にある三叉神経の分枝の圧痛点を圧迫すると圧痛があり,なかんずく圧痛の左右差の明らかなる人,圧痛点を圧迫すると,その痛みのため頭を後方ないしは側方にそらす人または自発痛のある人達を耳鼻科に紹介し,鼻科的疾患の有無につき検討したところ,鼻,副鼻腔疾患が意外に多く認められ,かつ耳鼻科的治療により,症状の軽快消失する人のいることを経験的に知つたので,1975年より1977年の3年間前述の条件の適合する患者を意図的に耳鼻科に紹介し,鼻,副鼻腔疾患の有無,種類,患者の年齢分布,耳鼻的治療による効果等を検討したので,ここにその成績を報告する。
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