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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻6号

1979年06月発行

文献概要

臨床報告

等高線モアレ縞による角膜の形状測定

著者: 河原哲夫1 尾羽澤大1

所属機関: 1東海大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.891 - P.897

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緒 言
 眼の光学系の主要部分を占める角膜の形状に関する研究は,角膜の光学的特性を知る上で重要であり,従来OphthalmometerあるいはKerato-mcterによつてその曲率半径が測定されてきた。最近,コンタクトレンズの装用などに関して角膜全域の形状を正確に測定する必要性から,Photo-keratoscopeなどの機器が既に開発されている1〜5)。Electric Photokcratoscopeを代表とする最近のPhotokeratoscopcは,被験眼前に置いた同心円視標の角膜からの反射像を,テレセントリック光学系で写真撮影している。それゆえ,角膜形状を非球面領域も含めて定量的に解析できる2〜6)。しかしながら,このPhotokeratoscopeによつて得られる同心円像は,角膜の等高線ではなく等傾度線となつている。そのため,角膜形状の決定にはコンピューターなどを用いた積分計算が必要であり,さらに円錐角膜,不正乱視,角膜移植術および水晶体摘出術後の角膜など,異常な角膜の形状を定量的に解析することは容易ではない3,6)
 最近,高崎7)やMeadowsら8)によつて開発された等高線モアレ縞は,容易で高精度の立体形状測定を可能とし,医学関係でも多くの分野で応用されつつある9)。眼科領域では,前眼部形状の測定10)あるいは緑内障患者の眼底乳頭部の陥凹判定11,12)に応用する試みがなされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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