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特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
眼科超音波診断に関する研究—第14報 新型高解像度眼科用超音波診断装置の試作とその臨床的応用
著者: 太根節直1 小松章1 神野順子1 木村陽太郎2
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室 2ゼネラル(株)
ページ範囲:P.961 - P.966
文献購入ページに移動これまで10余年間にわたつて行なつてきた筈者らの各種の眼科超音波診断法(Aモードによる感度断層法,あるいはスキャンコンバータ装置,およびカラーディジタル同時断層装置の使用など)では,定性的診断に大そう有用であつたが,その検査の実施や画像の読影にはまだ相当の経験と熟練を必要とし,ルーチンの検査法としての普及にはさらに工夫を要するものがあつた。
わが国においても,眼科臨床で用いられている超音波診断装置は国内,国外の製品を合わせて10数種類となつている。しかし,それらの装置により得られる画像の性質は,それぞれに使われている振動子や,増巾器などの電子回路,表示装置の諸特性,および走査方式の違いなどにより,かなり質を異にしている。そして,これらの装置による眼疾患の診断は,それぞれの装置で熟練した検査者の経験や主観的判断に負う所が多く,各々の装置の相互には必ずしも,同じ結果を示さない場合が見られるのが現状であり,これらの中でどの様な画像が,その疾患を正確に表現しうるか,またそれらの情報に何らの共通点があるかを見出しておくことはルーチンの検査法としての超音波診断法の普及に是非必要である。また一方,眼科の超音波診断も,その検査をTechnicianの手に委ねる方向に進まねばならない。
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