文献詳細
眼科手術学会
第一次硝子体過形成遺残の手術経験
著者: 大島健司1 西村宜倫1 田原和子1 三根茂1 岡嶋由布子2
所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室 2熊本大学医学部薬理学第二講座
ページ範囲:P.1063 - P.1068
文献概要
第一次硝子体過形成遺残(以後PHPV)は小児の白色瞳孔を来たす疾患の一つであり,臨床的には網膜芽細胞腫や瘢痕期未熟児網膜症との鑑別において重要視されて来ている。
このPHPVは,正常であれば消失すべき第一次硝子体が遺残し第二次硝子体の異常発育が起つた結果であると考えられているが,最近このPHPVはその臨床症状から二つの型に分類されると考えられている。その一つはanterior typeで,水晶体後面,Cloquet管附近,乳頭表面などに遺残第一次硝子体が見られ,Reeseによる詳細な研究1)でよく知られている型である。他の一つは,今まで先天性網膜襲Congenital retinal fold,先天性束状網膜剥離Ablatio falciformis congenitaなどという名称で知られ,Mann2)やWeve3)等の研究が行なわれていたもので,最近これをPHPVのposterior typeであるとする考えが提唱され,受け入れられつつある。
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