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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻8号

1979年08月発行

文献概要

臨床報告

融像に関する研究—斜視の融像について

著者: 菊池洋子1

所属機関: 1東邦大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1127 - P.1132

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緒 言
 両眼視の感覚面の検査には,以前より大型弱視鏡が使用され,同時視,融像,立体視等が測定されてきた。他の多くの検査方法も,ほとんどが自覚的な検査であり,他覚的方法による測定はあまり行なわれていない。自覚的方法は,患者の答えによる測定であるため不確実な場合がある。とくに大弱視鏡の検査で,抑制のある場合,被抑制眼の視標の位置は答えられないので眼球の位置を自覚的に測定するということは無理なことがある。われわれは数年来周辺融像を測定するために,視標の大きさをモーターで自由に変えることのできるハプロスコープを使用して,テレビカメラとビデオ・テープレコーダーを使い,固視ずれや輻輳の測定を行なつてきた。抑制のおこる範囲を測定したものにはJampolskyの他,稲富,粟屋,野崎,Pratt-Johnsonらの報告がある。著者はゴールドマン球面視野計とミニプリズムを使用して定量的に抑制暗点を測定した。抑制暗点を認める症例には,更に視標を作製し,これを使用することによつて詳しく中心融像を測定した。
 斜視の種類によつて両眼視機能にどのような類型があるかを調べることを目的として実験を行ない,興味ある結果を得たのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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