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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻8号

1979年08月発行

文献概要

臨床報告

眼底出血患者における網膜の病態—黄斑部出血について

著者: 木村毅1 佐藤章子1

所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1133 - P.1140

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緒 言
 人網膜出血に関する病理紅織学的研究は,従来主として光学顕微鏡による観察が行われており,その検眼鏡所見の裏付けとなつている1〜4)。黄斑部出血に関しても,老人性黄斑部変性症における出血の光顕的所見が報告されており,色素上皮細胞と視細胞層との間の網膜下腔,色素上皮細胞下,あるいはBruch膜下の組織における出血として認められている5,6)。そしてそのような部位ではfibrovascular tissueとして脈絡膜からの血管侵入が観察されている。しかしながら,出血部における色素上皮細胞や視細胞,その他の神経グリア要素における変化の電子顕微鏡的観察は人網膜では未だ行われていない。
 今回,緑内障を合併したため止むなく摘出された網膜出血患者眼の黄斑部における鮮紅色円形の出血斑とその周囲の暗赤色の出血斑を光顕,電顕にて観察した。そして光顕により出血部位の局在を検索し,眼底所見と対比し,さらにその周囲網膜各層と脈絡膜を電顕にて観察した。その結果,色素上皮細胞,視細胞などに興味ある所見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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