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臨床報告
角膜に発生したsquamous cell carcinoma
著者: 西麗子1 砂川光子1 塚原勇1
所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1175 - P.1177
文献購入ページに移動角膜は疾患の確認が比較的容易な部位であるが,日常診療において角膜腫瘍を経験することは稀である。事実,文献的にも本症の前癌部疾患といわれるBowen病は,球結膜角膜を含めて,国内外に70数例の報告がなされているが,悪性化は数%といわれ,角膜のsquamous cell carcinomaは例しか報告されていない1,2)。今回われわれは47歳男子の片眼角膜に乳白色の腫瘤を経験し,切除後の病理組織学的検索でsquamous cell carci-nomaと診断した。本症は非常に典型的な臨床組織像を呈したので,その所見を供覧するとともに,本疾患の成因,治療法につき若干の考察を加えたい。
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