icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻8号

1979年08月発行

文献概要

文庫の窓から

医書大全(2)

著者: 中泉行信1 中泉行史1 斎藤仁男1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.1194 - P.1195

文献購入ページに移動
 明本覆刊の大永版「医書大全」には編集者鼇峯熊宗立道軒と記されているが,「医方大成論和語鈔」には本書の成立に就て,『元の仁宗の時,文江と云う所の守護に孫允賢と云う人がいて,この人が陳無擇が書いた「三因方」,嚴用和が著わした「済生方」の中の要文を抜いて,それに昔より名医どもの書きしるした要文を加えて「医方集成」と名づく。その後,明朝に至つて熊彦明公が「宣明粹方」を撰んでこの集成を加えて「医方大成」と外題を付けた。その後また,熊宗立と云う医者が自分が用い覚えたことを書き加えて「医書大全」と名付けた』(岡本為竹一抱子撰,「医方大成論和語妙」元禄15年刊)と解説があり「医書大全」の原本は中国・元の孫允賢の「医方集成」に遡り,再三の増補改名に依り成立したことが判る。
 このいわゆる大永版「医書大全」の巻末には幻雲寿桂(釈寿桂,字月舟,別号幻雲,江州の人,初め越の弘祥,善応の二寺に住す,永正年間洛の建仁寺に遷る。「史記抄」の作者,天文2年12月8日示寂)誌として次の如き跋が掲げられ,「医書大全」のわが国での刊行を称讃している(図5,図6)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?