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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科33巻9号

1979年09月発行

文献概要

斜視の原因と治療

Ⅶ.内斜視の原因(その2)

著者: 三井幸彦1

所属機関: 1徳島大学

ページ範囲:P.1284 - P.1285

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 前回内斜視は光に対するその眼の「光−内直筋」異常反射が基盤になつておこるというKeinerの説と,それに一致する諸所見を述べた。今回はその続きをもう少し書いてみたい。
 Phoriaの状態をすぎてtropiaになるとEso. Exo.を問わず「光」はあまり関係なくなる。したがつてTropiaは絶対暗室へ入れても眼は通常正位にならないことはExo.について第1報で述べた。この点Eso.もExo.も同様である。しかし両者の間には一つ大きな差がある。図1にExotropiaの暗室における眼位を示す。明室でも暗室でも視線の方向に差はない。図2にEsotropiaの場合を示す。明室では視線はトの字型であるが,暗室ではハの字型になつている。私どもはこの現象をハト現象と呼んでいる。Eso.の場合ハト現象が常に陽性なわけではない。今までに写真判定したものの約50%に陽性であつた。Exo.では1例も経験されていない。こういう差がExo.とEso.との間におこることは理論的にも容易に理解される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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