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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻2号

1980年02月発行

文献概要

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著

Coats病に対するxenon光凝固とargon laser光凝固の遠隔成績についての比較検討

著者: 渡辺愛子1 追中松芳1 日山昇1 荻田昭三1 調枝寛治1

所属機関: 1広島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.151 - P.156

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 1962年6月から1978年12月までの16年7カ月間に,Coats病に対して光凝固を施行し,最終光凝固後6カ月以上経過を観察できた症例は39例40眼であつた。内訳はxenon光凝固群が24眼,argonlaser光凝固群が12眼,両者併用群が4眼で,それぞれの遠隔成績について比較検討を加え,つぎのような結果が得られた。
 (1)血管病変の広がりと治療成績を比較すると,xenon光凝固群,argon laser光凝固群ともに,病変の広がりが狭いほど効果が大きく,病変が2象限以内の症例ではxenon光凝固群は15眼中12眼(80%),argon laser光凝固群は9眼中8眼(88.9%)に著効が得られた。病変が2象限以上の広い範囲におよんだ進行例では,両群ともに不変および無効例が多かつた。
 (2)血管病変の広がりと最終受診時視力との関係についても,病変が2象限以内の場合,xenon光凝固群は,15眼中7眼(46.7%),argon laser光凝固群は9眼中5眼(55.6%)に0.6以上の視力を保持できた。
 (3)血管病変の広がりが2象限以内の著効例における光凝固前後の視力の推移は,視力の改善がみられたものでは,両群ともに最終光凝固後約12カ月で最高視力に到達した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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