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特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
鋸状縁部の螢光眼底所見
著者: 近藤聖一1
所属機関: 1福島県立医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.207 - P.213
文献購入ページに移動 著者は,鋸状縁部の螢光眼底撮影を行ない,以下の結果を得た。
(1)網膜鋸状縁部は網膜血管に螢光色素が入る前から背景螢光が出現し,特に毛様体扁平部との移行部で過螢光が著明に認められる。
(2)この過螢光部分は歯状突起の形の影響は受けず,検眼鏡的な類嚢胞変性部をしばしば越えて認められる。
(3)一方,毛様体扁平部は,脱色素が存在していない限り,背景螢光は認められない。
以上の所見から,網膜鋸状縁部の過螢光は,この部の網膜色素上皮層が薄く色素含有量が少ないことと関連が深いと考えてよく,また毛様体扁平部の低螢光は,この部の厚い暗調な色素上皮層による強いフイルター効果によるものと思われる。
(1)網膜鋸状縁部は網膜血管に螢光色素が入る前から背景螢光が出現し,特に毛様体扁平部との移行部で過螢光が著明に認められる。
(2)この過螢光部分は歯状突起の形の影響は受けず,検眼鏡的な類嚢胞変性部をしばしば越えて認められる。
(3)一方,毛様体扁平部は,脱色素が存在していない限り,背景螢光は認められない。
以上の所見から,網膜鋸状縁部の過螢光は,この部の網膜色素上皮層が薄く色素含有量が少ないことと関連が深いと考えてよく,また毛様体扁平部の低螢光は,この部の厚い暗調な色素上皮層による強いフイルター効果によるものと思われる。
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